2026
最初の一本の線
村上春樹の書籍『雑文集』に収録された「自己とは何か。(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)」を起点とする本作は、ある対象について語ることが語り手の輪郭を表象するという、いわゆるカキフライ理論の構造を、世界に存在するあらゆる物へと拡張することで、自己の輪郭と自己から見た世界の輪郭が同時に表象されるのではないかという仮説から始まった。「人類全体の記憶の奥底にある、最初の創造の行為とは何か」という問いに対し、私は「世界を知覚するという感覚それ自体」と定義し、AIとの対話を開始した。AIが選んだ三十の対象はテキスト化され、生成された写真はアイロン転写によって布へ定着している。
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